CoinbaseとCompound、暗号通貨預金口座を推進

ここ数か月、DeFiのレンディング・プラットフォームから提供される高金利が大きな話題となっている。そんな中、暗号通貨業界の二大巨頭である Coinbase と Compound は銀行の昔ながらの定番を改良して新事業に参入した。普通預金口座である。

問題は一つ。顧客はこの新サービスの性質と複雑さに対する準備ができているのだろうか?

ほぼ金利が存在しないこの世界。しかし各プラットフォームは、ここに魅力的な利回りを提供する方法を独自に計画しているのだ。Compoundは機関投資家を、Coinbaseは一般消費者をターゲットにしている。

DeFiプロトコルは、1,700%以上のAPRを提供する極端な例など、とんでもなく高い投資収益率を提供できることもある。しかし一方で、ボラティリティや潜在的なエクスプロイトに振り回されることも多い。

両プラットフォームは4%の金利を約束している。Bankrate.comが6月に行った預金口座に関する調査に照らし合わせると、この金利は全国平均の50倍以上にもなる。当然、この新商品の安定性と安全性を顧客に納得してもらう必要があるが、両者ともにこの課題に直面している。

6月28日、アルゴリズムによる自律的な金利プロトコル Compound を開発したことで知られるCompound Labs は、スピンオフ企業として Compound Treasury を立ち上げた。Compound Treasury 口座を開設した企業は、米ドルを USDCステーブルコインに交換し、Compoundプロトコルに預金する。そして固定金利として4%のAPRを得るのだ。顧客は口座管理のための DeFi の複雑な作業をこなす必要はない。

その翌日、集権的取引所である Coinbase は、口座保有者が Coinbase にUSDCを貸し出すことで4%のAPYを獲得できる Coinbase Lend を発表。顧客は元本保証も得られるものの、これは米国政府が実施しているFDIC保証とは別のものであることに注意が必要だ。

消費者や企業が DeFi に手を出すことを躊躇してきた問題に、いずれのプラットフォームも正面から取り組む。DeFiプロトコルは、1,700%以上のAPRを提供する極端な例など、とんでもなく高い投資収益率を提供できることもある。しかし一方で、ボラティリティや潜在的なエクスプロイトに振り回されることも多い。しかしこのシナリオでは、企業や消費者の心を温めることはできない。

TradFi (Traditional Finance) 領域

DeFiプロトコルを利用すること。例えそれが最も安定しているものだとしても、気をくじくに十分だ。プロトコルの仕組みは複雑、ユーザーには平均以上の技術的知識が要求される傾向にあるからだ(もし暗号通貨に詳しくないのなら、まず Web3 ウォレットを作ってみて欲しい)。

技術に精通した投資家で、変動の激しいDeFiに資金を危険にさらしても構わないという人もいる。そして時間の経過と共に安定して利息が得られる普通預金は、長らく安全性の高い TradFi 領域のものであった。と言ったものの、伝統的な普通預金口座の金利は停滞しており、6月時点での平均は0.06%。笑えない数字である。

Compound Treasury と Coinbase Lend は、伝統的な金融商品の利便性と安定性を維持した上で、従来の普通預金よりもはるかに大きな利益を得られる商品を提供することになる。彼らはそのサービスにより、低すぎる金利問題を乗り越えられると考えている。ボラティリティーを抑えるために、双方の商品はUSDCに限定される。USDCは規制下にある金融機関が発行したコインで、準備資産に完全に裏付けられており、米ドルと1対1で交換できる。

それでもなお、リスクは存在する。Compound Treasury は投資されたUSDCを全て分散型プロトコルである Compound に移すが、これはトークン保有者によりガバナンスを受けるため、従来のマーケット規制下にはない。

ヘビー級の参入

Coinbase Lendでは、投資家のUSDC元本はCoinbaseが保証するとされるが、借り主が誰になるかは不明である。また、投資元本以上のリターンは保証されない。

このようなヘビー級が参入したことを考えると、暗号通貨の普通預金口座の話題は更に盛り上がるだろう。

彼らの動きは、暗号通貨取引所である Gemini が Gemini Earn 預金商品をローンチしてから5ヶ月後のことである。この商品は、ステーブルコインを含む暗号通貨に対して最大7.4%のAPYを提供している。Geminiはこのような高金利を提供するために、認可された第三者と提携し、借り手として迎えている。

Gemini はその商品説明の中で、EarnプログラムのAPYは変動する可能性があると周知している。Coinbase Lend とは異なり、Gemini は元本を保証していない。

従来の普通預金に代わる、より安全で安定した、より収益性の高い商品が続々と登場しており、個人投資家や機関投資家の注目を集めているのは間違いない。果たしてどれだけの顧客が、実際にオファーを受けてくれるだろうか。


原文: Coinbase and Compound Vow to Manage Risks in Crypto Savings Push